綾野文麿・水谷栄希 二人展「ex\on」開催
2020/09/17
dragged out studioでは、2020年9月25日(金)~30日(水)に、
綾野文麿と水谷栄希の二人展「ex\on」(企画・キュレーション:中本憲利)を開催いたします。
関連イベントとして、ゲストパフォーマー(中川麻央・石井孟宏)によるパフォーマンス、
作家・キュレーターによるギャラリートークもございます。
みなさまお誘い合わせのうえ、ぜひお越しください。
《Shimmer》(2019) ©︎Fumimaro Ayano
《「good bye」》(2020) ©︎Eiki Mizutani
本展は、われわれが「芸術」と呼ぶ何ごとかが成立する現場のありさまに着目するものです。単なる物質が「作品」になるとき、制作者から素材に対しては、何らかの〈方向〉(志向性と言い換えてもいいでしょう)が、物理的な操作や概念的な意味付けによって発生します。われわれが「作品」を知覚するという事態は、さしあたり、その〈方向〉を有形無形の痕跡として感受することではないでしょうか。
タイトルに含まれる“ex”(「~の外へ」)と“on”(「~の上に」)は、水谷栄希と綾野文麿の作品にみられる〈方向〉を表す言葉です。それらをつなぐ逆向きの斜線は、二者のあいだをかよっているかもしれない不可視な力の流れ、すなわち「内から外へ発出したなにかが、なにかの上に着地する」という状況を示しています。
また、彼らは技法や扱う素材のうえでは異質な作家ですが、「家」にまつわる形象を多用したり、会話文への偏愛を露わにしたりするなど、ともに日常性との関わりをつよく意識しています。そこには、ホワイトキューブにおける人間という美術史的な問題系が逆照射されてもいるのです。二人の作家がとり交わす声は増幅し、したたかな問いかけとして響きます。
本展はこのように、〈方向〉をめぐる二つの探求を接続する試みです。ゆえに展示空間には、まったく異なるアプローチをとる二者の作品が共存し、ゆたかな力の流れが充満します。それはわれわれの肌の表面に訴えかけ、不確かな記憶を喚起しないではおかないでしょう。
中本憲利
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ex\on|綾野文麿・水谷栄希 二人展
会期:2020/9/25(金)~9/30(水)
時間:12時~20時(最終日16時)
作家:綾野文麿・水谷栄希
企画・キュレーション:中本憲利
DMデザイン:布谷麻衣
会場:dragged out studio(東京都中央区日本橋大伝馬町15-3内田ビル1F)
会場HP:http://dragged.jp/
【パフォーマンス】
ゲストパフォーマー(中川麻央・石井孟宏)によるパフォーマンス
日時・形態:9/26(土)開廊時間中にインターバルを挟みつつ常時行う
場所:dragged out studio(展示会場)
【トーク】
作家・キュレーターによるギャラリートーク
日時:9/27(日)18:00-19:00
場所:Youtubeライブ(https://youtu.be/mqqdKyUkp4M)
【プロフィール】
綾野文麿(Fumimaro Ayano)
「形骸化された行為」をテーマに、日頃、目にするイメージやオブジェクトに焦点を当て、しばしば美術史における写真の役割を参照しながら、それらを変質させ、再解釈している。制作に際しては、ある種の社会現象を分析し、解体することで、その言語的要素を念頭に置きながら、形骸化した慣習や伝統、信念の表象に疑問を投げかけている。1992年福岡県生まれ。東京藝術大学大学院グローバルアートプラクティス専攻修士課程に在学中。TOKYO FRONTLINE PHOTO AWARD 2017にて千葉雅也賞受賞。同時開催の展覧会に「室内写真——Camera Simulacra」(文華連邦、2020/9/19~27)。
Instagram: @fumimaro_ayano (https://www.instagram.com/fumimaro_ayano/)
水谷栄希(Eiki Mizutani)
紙やキャンバスの裏面を刻み彩色する技法を使い「内側からの絵画」をテーマとして平面作品を中心に取り組む。目に見える画面の向こう側を作品における新たな場所と定義し、作者の描画と鑑賞者の目線のベクトルが向き合うことで特別なコミュニケーションが生まれることを目的として制作をしている。1991年愛知県生まれ。東京藝術大学大学院日本画専攻修士課程修了。個展に「内側からの絵画」(アートスペース羅針盤、2019)など。
Instagram: @eikimizutani(https://www.instagram.com/eikimizutani/)
中本憲利(Kent Nakamoto)
人間の経験の基底を成すもの(構造・条件)について考えながら、芸術的営為をとりまく〈関係〉に関心をもちキュレーションを行う。1999年東京都生まれ。東京大学文学部哲学専修課程に在学中。美学校修了。
Instagram: @kentishthings(https://www.instagram.com/kentishthings/)
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*来場時のお願い
・入場にあたり、マスクの着用・アルコール消毒・体温測定等、感染症拡大防止へのご協力をお願いいたします。
・発熱等の風邪の症状がある方、体調がすぐれない方は、ご来場をお控えください。
・展示スペース内の滞在人数が六名を超える場合は入場制限を実施する場合がございます。
*会場内の感染予防
・会場内の清掃、換気、手が触れる場所の消毒を定期的に行います。